Loading

バルクヘッド・セーラーオブ・ザ・イヤー

 2012年最後を締めくくるのは、バルクヘッドマガジンの大晦日企画「セーラーオブ・ザ・イヤー」の発表です。このセーラーオブ・ザ・イヤーは、セーラーにおくる日本で唯一のアワード。本年度活躍した選手に授与されるバルクヘッドマガジン編集部独自の賞です。(BHM編集部)

 2012年も残りあとわずかとなりました。今年もいろんな場所に行き、ヨットレースを取材して、たくさんのセーラーと会いました。全国の海に足を運ぶのは刺激的で、日本のセーリングシーンをオンボードからうかがえる編集部は、つくづく恵まれた環境にいると感じています。1年間ありがとうございました。

 しかし、ヨットレースを取材していてもセーラー全員と会話できるわけではありません。ここで発表する「賞」は、あくまで編集部が独自の視点で選んだもの。別の意見があるかもしれませんが、バルクヘッドマガジンが全責任を持って選出していることをご了承ください。

 2008年から続いているセーラーオブ・ザ・イヤーの発表は、今年で5回目となります。ファンの方は、選考内容がいかに個性的かご存知だと思います。セーラーオブ・ザ・イヤーの別名は「ヨット馬鹿大賞」。馬鹿と呼ばれるほどセーリングに没頭した最高にハッピーな選手に贈られます。

 選出基準は、優れた成績だけではありません。固定観念にとらわれず、日本にこれまでにない活動をしたり、「これはすごい」と編集部が感じた選手を対象にしています。願わくは、ここで選ばれる選手が、全国のセーラーの目標となることを期待します。「あの人がやってることってすごいよなぁ!」と若い読者が感じてくれたなら、バルクヘッドマガジンは本望です。

 さて、2012年のセーラー・オブ・ザ・イヤーです。今年の頂点に選ばれたのは…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 2012年のセーラー・オブ・ザ・イヤーは、近藤愛選手、田畑和歌子選手に決定します。

 彼女たちは、ご存知のようにロンドン五輪470級女子の日本代表チームです。しかし、選考のポイントとなったのは、ロンドン五輪日本代表でも、国際大会で何位になったとか、世界ランキング1位だったという肩書きではありません。

 編集部が注目したのは、彼女たちが世界のトップセーラーと対等のステージにあがり、またそれ以上のものを得るために自分たちを追い込んで、追い込んで、追い込んで、これまでの日本チームにはなかったモノを得たことです。

 彼女たちがオリンピックキャンペーンで手にしたものは、目標にしていた金メダルを獲得できなかったことで、誰の目にも見えるものではなくなってしまいました。しかし、彼女たちが他の日本選手には持っていなかった「チカラ」を得たことはまぎれもない事実です。

 オリンピックを目指すような選手は、各国でトップになる実力を持っています。国際大会の現場で国内チャンピオンであったり、長い経験があったり、すばらしい道具を持っていることは重要ではありません。結果だけがすべての世界です。この猛者中の猛者が集まるなかでさらにトップに立とうとするには、並大抵のトレーニングではその壁を超えられません。

 その頂点の舞台で戦い続けた彼女たちの活動は、なによりもわたしたち日本人が誇れることです。言葉では伝えにくいのですが、世界選手権のようなハイレベルのレースを観戦していると、鍛錬を重ねた選手のセーリングは美しく、その戦いに感動を覚えることも少なくありません。「速い=美しい」はセーリングの究極のカタチです。近藤、田畑両選手は、その究極のカタチを手に入れた数少ない日本選手であるとバルクヘッドマガジン編集部は考えています。

 また、このセーラーオブ・ザ・イヤーを選考するにあたり、何名もの候補者の実績と比べてみましたが、彼女たちがジュニアやユースに与えた影響はあまりにも大きい。編集部が足を運んだいくつかの地方大会で、「近藤選手、田畑選手にあこがれています!」と目を輝かして話す高校生、大学生に何人も出会いました。

 セーラーオブ・ザ・イヤーは、2012年のセーリングを大いに盛り上げてくれた近藤愛、田畑和歌子に決定します。馬鹿という点でも寸分違わず大合格。これからも日本のセーリング界に刺激を与える活躍を期待しています!


近藤愛は11月の470全日本で総合3位、女子優勝。今月に結婚。2013年はいろんなことをしてセーリングに関わっていきたいとのこと。田畑和歌子はレーザーラジアル級でトレーニングを始めています。photo by Junichi Hirai

※2012年YB(Yacht Bakaの略)エンブレムは、大坪明ヨット馬鹿デザイン事務所に制作していただいたものです。大坪さん、今年もありがとうございました。

======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
丸玉運送
ネオネットマリン
ノースセールジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
コスモマリン
葉山セーリングカレッジ
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
VELOCITEK
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
エイ・シー・ティー
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ
CATEGORY:  NEWS