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スウィング再びトップに!ワールド最終日

 9月29日、メルジェス32世界選手権最終日。これまで9レースを終えて、規定の10レースまで残り1レース。アメリカ・ニューポート最終決戦の幕が切って落とされました。(BHM編集部)


最終レースで2度目のトップフィニッシュを飾った〈スウィング〉。photo by Junichi Hirai

 曇天のニューポート沖は、肌寒く、北東の風が吹き、いまにも雨が降り出しそうな、厚い雲に覆われました。首位争いの〈Samba Pa Ti〉(USA)対〈Hedgehog〉(BER)は、マッチレースのマニューバさながらスタート前から牽制し合います。〈Samba Pa Ti〉は、〈Hedgehog〉の追撃をかわしてスタート。左から右へシフトする海面で中位置をキープしてレースは進行しました。

 また、ベストスタートを切ったのは日本の〈スウィング〉です。スタートライン中央から飛び出すと、クリアエアを掴んでフリートをリードする形になりました。上マークの回航順位は、本部船サイドから好スタートを切った〈Ninkasi〉、〈スウィング〉の順番。〈スウィング〉は2回目のアップウインドで〈Ninkasi〉がシフトを取りそこねた隙にトップに躍り出ました。

 第4レースでトップを取った場面とよく似ています。〈スウィング〉は軽風下で抜群のスピードと最高のタクティクスを発揮し、後続を引き離し、2度目のファーストホームを飾りました。このワールドで、トップを取った回数を数えてみると〈Samba Pa Ti〉の4回に次いで2番目の快挙。〈スウィング〉は総合16位まで一気に上昇しました。

「(2度トップを取って)うれしいですね。手応えは、あるようなないような。成績が安定しなかったけれど、軽風域ではなんとかなるような気がしています。ただ、1上でいいところに行こうとしたら、スタートで相当がんばらないとダメ。ワールドが終わって課題がいろいろ見えてきました。特にいままで経験したことのない波のある海面を経験したことは収穫でした。来年はメンバー構成に変更があるかもしれませんが、引き続きメルジェス32で世界に挑戦していく予定です」(鈴木オーナー/ヘルムスマン)

 全10レースを終えて日本勢の順位は次のとおりです。上位との差は歴然としていますが、10レースを終えて、実力通りの結果だといえるでしょう。〈スウィング〉、〈マンマユート〉のチームメンバーをはじめ数チームは今年が初チャレンジです。すでに来年のワールド(イタリア・サルディニア)を視野にキャンペーンがはじまろうとしています。

◎日本チームの最終成績
16位 スウィング 134p
19位 マンマユート 140p
23位 エスメラルダ 173p
27位 夜叉侍 209p
28位 スレッド 214p
33位 ケットフィーク 266p

 総合優勝は最終レースを5位で終えた〈Samba Pa Ti〉が、はじめてのタイトルを獲得しました。フィニッシュ後のチームは喜びをあらわにシャンパンファイト。オーナーのJohn Kilroy氏は、テンダーに飛び乗り、サポートボートから応援する奥さんの元に戻って抱きあうと、再び船に戻ってチームメンバーと喜びを分かち合っていました。

 〈Samba Pa Ti〉は、一体何人のチームになっているのか? と思えるほど、たくさんのサポート、応援部隊で構成されています。組織力の勝利といったところでしょう。〈Samba Pa Ti〉の見事な優勝でメルジェス32ワールドは幕を閉じました。

 さあ、バルクヘッドマガジンのデイリーレポートは一旦終了です。これから日本への帰途につきますが、このワールドを通じて感じたこと、学んだこと、書ききれなかったこと等をこれから数回に分けて記事にしていく予定です。おたのしみに!

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初のワールド・チャンピオンに輝いた〈Samba Pa Ti〉。John Kilroyオーナーヘルムスマン(写真中央)、タクティシャンのポール・グッディソン(写真左)をはじめ組織力の勝利です。photo by Junichi Hirai


1上はシングルで回航するも、上マークの混戦に巻き込まれペナルティーを与えられてしまった〈マンマユート〉。「(自分の)ドライブ感覚をもっと養わなければいけない。一瞬の判断で遅れてしまう場面がいくつもありました。来年はヘルムスマンである自分がもっと上達しなくては」(亀井オーナー/ヘルムスマン)。photo by Junichi Hirai


最終日の海面は外洋に面したアウトサイド。レース中はにわか雨程度でしたが、フィニッシュ後、本格的に降り出しました。このワールドを振り返ると初日以外は曇天、もしくは雨というコンディション。冷たい秋のニューポートを満喫するレガッタとなりました。photo by Junichi Hirai

2012 Melges 32 World Championship 最終成績
1. USA Samba Pa Ti (20)-8-1-12-1-1-1-2-8-5 39p
2. BER Hedgehog 5-(7)-2-4-7-6-4-4-11-10 49p
3. USA Warpath 2-(15)-4-7-8-3-8-3-12 -20 62p
4. USA Pisces 4-1-(19)-2-4-13-11-14-2-19 70p
5. USA Bliksem 7-(16)-6-11-5-11-7-1-9-18 73p
6. USA Goombay Smash 3-3-12-(29)-9-9-3-21-7-14 81p
16. Swing 15-13-(DNF)-1-23-25-17-20-19-1 134p
19. Mamma Aiuto 16-10-22-14-10-24-19-8-(31)-17 140p
23. Esmeralda 21-28-17-10-14-19-27-11-26-(31) 173p
27. Yasha Samurai 24-22-24-27-20-16-(33)-17-27-32 209p
28. SLED (DNF)-DNC-20-8-32-31-12-31-20-26 214p
33. Quetefeek 29-30-31-28-(33)-30-31-33-25-29 266p

◎2012 Melges 32 World Championship
http://www.nyyc.org/melges32worlds-sep20-29/

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