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ありがとう、福岡!日本初開催アメリカズカップ、華やかに閉幕

 11月20日、「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ」2日目は、得点が2倍になるスーパーサンデーです。曇り空のなか、レースビレッジとなる福岡市地行浜には、7740人以上の観客が押し寄せ、海上には150艇の観覧艇が集まりました。(レポート/ソフトバンク・チームジャパン)

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優勝はベン・エインズリー(GBR)率いるランドローバー・BAR。シリーズ優勝も勝ち取りました。photo by Junichi Hirai

 正午の時点で風向は北、風速は4〜5m/sと前日よりも少し弱い風でしたが、その後さらに風速が落ちてしまい、スタート予定時刻の午後1時には風速2m/sに。このためスタートが延期され、第1レースは午後1時7分にスタートしました。

 レース中の風速は3m/s程度と、フォイリングが見込めない風でしたが、このわずかな風をつかんで最高のロケットスタートを決めたのはソフトバンク・チーム・ジャパン。しかし、その後わずかに艇速が上回ったグルパマ・チーム・フランスに風を遮られ、第1コーナーを2位で回航します。

 まだまだトップを狙える好位置でしたが、ここで風が北東に大きく振れたことにより、順位が大きく変わってしまいます。それまで4位を走っていたアルテミス・レーシング(スウェーデン)が一気にトップに躍り出た一方で、2位を走っていたソフトバンク・チーム・ジャパンは6位まで順位を落としてしまいます。

 風が一度振れるだけでこれだけの差が出てしまうところも、ヨットレースの難しいところです。その後、レースを諦めずチャレンジし続けたソフトバンク・チーム・ジャパンは一つ順位を上げて、5位でフィニッシュしました。

 第2レースも風速が上がらず、風速3〜4m/sの状況のなかで、静かにスタートしました。いつものように強気に攻めるソフトバンク・チーム・ジャパンでしたが、わずかに船首をスタートラインから出してしまい、リコールとなってしまい、地行浜の観戦エリアからは深いため息がもれます。

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ソフトバンク・チーム・ジャパン。photo by Junichi Hirai

 得意のロケットスタートを決められなかったソフトバンク・チーム・ジャパンは、6位で第1マークを通過。いつもの闘志で先行艇を脅かす強烈なプッシュを何度も見せますが、フィニッシュは6位。非常につらいレースが続きます。

 最終の第3レースは、少しだけ風速が上がり4〜5m/sのなかでスタートしました。このワールドシリーズでは各チーム6人目のクルーとしてゲストクルーの搭乗が義務付けられており、ソフトバンク・チーム・ジャパンは、第3レースにタレントの小島瑠璃子さんが搭乗。父親がセーラーで、ご自身もウインドサーフィンの経験があるマリンガールです。

 そんな勝利の女神を乗せたソフトバンク・チーム・ジャパンは完璧なロケットスタートを決め、艇団から船首を出してスタートラインを切ります。しかしこの日、何度も良いスタートを決めているグルパマ・チーム・フランスがまたもソフトバンク・チーム・ジャパンの風上側に回り、第1コーナーはグルパマ・チーム・フランスが奪取。

 ロケットスタートのお株を奪われたソフトバンク・チーム・ジャパンのディーン・バーカー艇長は、その怒りを闘志に変え、激しい追い上げを見せます。しかし、フランク・カマ艇長率いるグルパマ・チーム・フランスもそう簡単に抜かせてはくれません。

 風速も徐々に上がり、豪快なフォイリングシーンが増え始めると、会場の観客もヒートアップ。2位につけ、巻き返しを狙うソフトバンク・チーム・ジャパンにも歓声が集まります。しかし、追い上げむなしく、ソフトバンク・チーム・ジャパンは2位でフィニッシュ。最後は気持ちの良い走りで締めくくり、福岡大会を終えることができました。

 ソフトバンク・チーム・ジャパンは、福岡大会総合5位。ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ全9戦通算の総合成績はランドローバー・BAR(512点)が優勝、ソフトバンク・チーム・ジャパンは5位(460点)となりました。

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ワールドシリーズ福岡大会に大会初日以上の観客が訪れました。ビーチは大混雑です。photo by Junichi Hirai

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第4、第5レースで連続トップを決めたアルテミス・レーシング(SWE)。photo by Junichi Hirai

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最終レースでフォイリング。ワールドシリーズ最終レース、トップフィニッシュのグルパマ・チーム・フランス。photo by Junichi Hirai

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「率直に残念な結果でした。しかし、最終レースで2位でフィニッシュすることができたのは良かったですね。これまでやってきたチームの努力の成果を出すことができました。今回の福岡大会開催にあたって、多くの日本のファンの皆さんから大きな声援をいただいたことは本当に力になりました。アメリカズカップで初めてヨットを知ったという方もいたと思います。日本でもセーリングがもっと盛り上がるとうれしいです。繰り返しになりますが、会場からの大きな大きな声援は、レースをする私たちにしっかり届いていました。本当に、感動しっぱなしの2日間でした。これからは次の予選に向けてさらにがんばります」(早福和彦総監督)

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ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ福岡成績
1. Land Rover BAR 75p
2. Artemis Racing 75p
3. ORACLE TEAM USA 70p
4. Emirates Team New Zealand 65p
5. SoftBank Team Japan 61p
6. Groupama Team France 59p

ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ総合成績
1. Land Rover BAR 512p
2. ORACLE TEAM USA 493p
3. Emirates Team New Zealand 485p
4. Artemis Racing 466p
5. SoftBank Team Japan 460p
6. Groupama Team France 419p

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ありがとう福岡!ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ予選は来年5月26日からバミューダで開催されます。photo by Junichi Hirai

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