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【コラム】リオの海で江の島のことを考えた

 バルクヘッドマガジン編集長は、ブラジル・リオデジャネイロから戻りました。今回は約二週間の取材遠征で、テストイベントだけに来年開催されるリオ五輪の予行練習という内容でした。セーリング競技の開催されるグアナバラ湾の水質汚染問題や、マリーナ工事の遅れなどの話題もあり、1年前の現地をこの目で見てこられたことは良かったです。(BHM編集部)

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写真はセーリング競技が開催されるグアナバラ湾。マリーナは左側の入江にあります。左端のブリッジから右側に見えるシュガーローフマウンテンまでがインサイド(湾内)のレース海面でここに3海面、シュガーローフマウンテンの右側がアウトサイド(湾外)で3海面が用意されます。photo by Junichi hirai

 水質汚染の問題は、実際のレースにほとんど影響しないことが分かったし、マリーナの建造も急ピッチで進行しています。ヨットレースとしては、水の少々の汚れより風が吹くことが大切だし、編集長は湾内中央に高速で流れる潮流の方が、フェアな競技にならないように思えて気になりました。

 メディアにはマイナス点ばかり取り上げられますが、リオならではの優れた点もあります。「世界三大美港」と呼ばれるグアナバラ湾の景観は素晴らしく、ほかにも、個性的な風が吹く6つのレース海面、豊富な数の運営ボート、広大なマリーナ敷地、セーリングに程よい気温など、リオらしいヨットレースになると期待しています。

 日本は東京五輪を迎えるにあたり「良い部分」をぜひ参考にしたいものです。今回のテストイベントには、日本から大勢の東京オリンピック準備委員会の方々が現地へ視察に来られていたので、今後、何かしらのかたちで視察の報告を知ることになるでしょう。

 願わくは、準備委員会の方々にヨットレースイベントとして成熟しているマヨルカ島のプリンセスソフィア杯や、フロリダのキーウエストレースウィークなど、ヨットレースならではの良い雰囲気を持つ大会も参考にしていただけたら、常識的で、今の日本にはない面白い企画が出てきそうな気がします。

 オリンピックは4年に1度の特別なイベントで、ヨットレースのスタンダードではありません。世界規模のイベントを見習うことは大切ですが、これから継続的に日本でヨットレースを開催していくならオリンピックは無駄な部分が多い。

 編集長は、リオの海に出ながら「江の島らしいオリンピックとは、なんだろう」と考えていました。江の島というシンボルマークがあり、東西に伸びる海岸線があり、近くに古都鎌倉をはじめ観光地がある。

 海は水深深く、波は高く、きっと毎日シーブリーズを待つことになるから昼からレーが開始されるのでしょう。8月は猛暑が予想され、台風シーズンでもあります。世界の水域とはまったく違う、江の島ならではのオリンピックができるのではないでしょうか。

 そんなことを考えるのも楽しいですね。さあ、2016年リオ五輪、2020年東京五輪まで、みんなで盛り上げていきましょう!

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フォトギャラリーにリオ五輪テストイベントの写真を掲載しています。ぜひ御覧ください。リオではタクシー移動が常で、EASYTAXIというスマホアプリが大活躍しました。日本にもあればいいのにな

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