防水だけでは物足りない最新セーリングウエア

  • 01
  • Jun

※サンケイビジネスアイ紙で連載していたコラムを紹介します。


雨や波しぶきを受け止めながら働く世界一周レースのクルー。撮影 Ian Roman/Volvo Ocean Race

サンケイビジネスアイ・コラム(66)
防水だけでは物足りない最新セーリングウエア

 海と山は、フィールドは違っても身につけるウエアはとても似ている。厳しい自然環境にも耐えられるアウトドアウエアの進化には目を見張るものがあるが、海でも同じようにハイテク素材のウエアが採用されている。セーラーがウエアに求める性能は主に防風と防水。陸上では建物に隠れれば避けられる風も、遮るもののない船の上では全身で風を受け止めることになる。風は体温を奪い、さらに体力を消耗させる。

 ひとり乗り、ふたり乗りのディンギーなら濡れることを前提にしたウエットスーツを着ることが多く、ボートやセーリングクルーザーでは防水性の高いアウタージャケット、サロペットを着る。防水性だけをみれば、ゴムやビニール素材の雨合羽で十分に思えるが、このようなウエアを着ていたら悲劇だ。船上で動きまわれば汗をかき、ウエアの内側に水蒸気が溜まってしまい、下着までずぶ濡れになるだろう。

 そこで近年のアウトドアウエアでは、水は通さないが、湿気(水蒸気)は通す、透湿性能も重要視されている。防水透湿性素材の代表格といえるゴアテックスのようなハイテク素材である。いまでは、ウエアだけでなく、シューズ、ブーツなどセーリングに関係する生地部分に多く使われている。

 こうしたハイテク素材は軽量でコンパクトという一面もある。競技性の高いヨットレースでは、ウエイト(体重)がスピードに大きく影響する。たとえば、2008年の北京五輪では開催前から風が弱いと予想されたため、選手たちは微風対策として減量につとめた。さらに、使用するマリンウエアにも軽量化を求めた。そこで注目されたのがハイテク素材だ。グラム単位のわずかな軽量化だが、メダルを狙う選手にとっては重要な秘密アイテムとなった。最新ウエアの選択がスピードを左右したのである。(2011.11 文/平井淳一)

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