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連載ヨットレース繁盛記。烏帽子岩へゆく!

 今月からはじまった連載「ヨットレース繁盛記」第2回。今回は、葉山をスタートして、サザンオールスターズの曲にも登場する茅ヶ崎・烏帽子岩(えぼしいわ)を往復するショートディスタンスレースに参戦しました。石丸ねえさんの〈ホビーホーク〉はいつもの調子で軽快に出撃しましたが、その結末はいかに!?(BHM編集部)


富士山がパキーンと映える相模湾。絶景です。photo by O.Yuko

ヨットレース繁盛記!ドタバタ編
HMYC新春烏帽子岩レガッタ

 1月20日、大寒です。先週、関東地方はドカ雪に見舞われて、わが家のまわりは、いまだ道路脇に雪がわんさか残っています。でも、ヨットだホイ! レースだホイ! というわけで、今回も葉山マリーナヨットクラブのクラブレース、「第12回新春烏帽子岩レガッタ」に〈ホビーホーク〉で参加しました。(文/石丸寿美子)


葉山沖をスタート。横風を受けて、すぐにスピンアップです。photo by O.Yuko

『参加28艇、幕の内弁当みたいに一斉スタート!』

 本日、雲ひとつない快晴。海の透明度も最高で、マリーナ内でも海底の石の1つ1つがくっきり見えます。そしてドックアウトしてみると、でっかい富士山真っ正面、雪化粧した遠くの山々や伊豆大島まで大パノラマで、寒いなんてどうでもいいんだよ、と言いたくなるくらいの絶景です。

 年明け2回目のレースは、プチ・ピクニックモードです。葉山沖をスタートし、湘南・茅ヶ崎沖に顔を出す“烏帽子岩”を回航して戻ってくるコースです。北寄りの風、フラット。この後も順風の予報です。北寄りの風なのでスタボーのアビームスタートです。

 本部船寄りでディンギーみたいにフネ止めてロケットスタートを狙っているのは、SAIL FAST後藤さん率いる〈サニーキッズ〉(シースケープ18)。HMYCクラブレース初登場です。

 他にもフランス人チームの〈Scampi Fritti〉(Elan210)など、最近はオモシロ速そうな小型艇が増えてきて、18ftから40ftまでありとあらゆる28艇が幕の内弁当状態です! そして、これらが一斉スタートするのがHMYCクラブレースの名物シーン。カオスです〜。エキサイティングです〜。


最小艇は3人乗りの〈サニーキッズ〉(シースケープ18)。初参戦です!photo by M.Ikami

『カーム沼にて、四畳半パフ争奪戦』

 狙い通りのロケットスタートを切ったヒロキゴトウ氏を轢きそうになりながら、ホビは、そのちょっとカミからまずまずのスタート。即、ジェネカーアップ! です。暫くは安定した順風で、フルハイクの横っぱしりで江の島の沖側を狙います。

 これまでの所、大き目のフネと遜色ないスピードで、かなりイイ景色。ウホ! ジェネカー最高! スピン艇はやや厳しい角度なので、ここで踏ん張ってたんまりとジェネカー貯金をしておかないといけません。

 でもですね、ヨットの神様は、例によってわれわれに試練を与えてくださいました。江の島に近づくに連れ、だんだん風が頼りなくなってきましたよ。

 海面は辺り一面しましま、パフは上から降りてきて、放射状に拡がっては消え、風見はグルグル、計器は当てにならず。もうこうなったら、しゅわしゅわドリンクー!!  ……ではなく、名器、耳たぶ風向計と、尾てい骨内蔵スピードメーターを起動するしかありません。

 気付くと周りでは、カーム沼にどっぷり浸かったトホホ艇団が横並びになって再スタートの様相です。これで、ジェネカー貯金はパァ。ここからは、四畳半パフの奪い合いで、つかんだと思ったら、あっちは八畳だった! とか、高速道路に乗ったつもりで悦に入っていたら、突然通行止め食らったりとか、まるで人生の縮図。さすが、ヨットの神様。

『サザンを唄う気力もなく、ぐったりと烏帽子岩回航』

 だらしなーーーく、だらーーーんと垂れ下がるスピンをライトシートで必死に広げながら、一向に近づかない烏帽子岩に向かって、のた打ち回ること2時間!

「えーぼーしーー 岩が遠くに見える〜♪」

 なんて、もうサザンを唄う気力もなく、やっとこさ烏帽子にとっついた頃、風のケンカにも決着がつきました。不思議なことに、岸(北寄り)から先に南の風が安定していった感じです。これも神の為せる技ですかね。

 フィニッシュは、江の島の手前でコース短縮となりました。風が怪しくなった頃に最小限のピットストップでうまく抜け出した4艇がドーンと突出。〈ホビーホーク〉は、かなり離れてばらけた第2グループに首の皮一枚でぶら下がって、28艇中着順8位でフィニッシュ。修正7位で、なんとかシングル入り。おぉ、合格!

 前半の貯金を早々に使い果たして、またまた”痩せ馬の先走り”だったけど、その後、パッチを拾いながらなんとか横並びから抜け出せたのが幸いしました。優勝は、ファーストホームの〈スターボードJr.〉(N/M36)。残念ながら、5艇がリタイアとなりました。

 苦しい微風だったけど、体の隅々まで潮風をフルチャージ。たまには行って来いレースもいいもんです。音楽かけて、あーだった、こーだったとワイワイやりながら、でっかい富士山をバックに葉山へ帰ります。

 今日も、楽しかった〜。当たり前にいつもそこにある富士山だけど、たまには言っておきましょう。

「ビバ!!富士山!!」


第1回目の「ヨットレース繁盛記」は編集部の予想を超えるアクセス倍増、満員御礼の人気記事となりました。写真はホビーホークの主人公、美女軍団です。photo by Hobbyhawk


HMYC新春烏帽子岩レガッタ成績表。優勝は〈スターボードJr〉でした!

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