複雑でわかりにくい? 五輪セーリング競技

  • 17
  • Apr

※サンケイビジネスアイ紙で連載していたコラムを紹介します。


2012年8月開催のロンドン五輪であたらしく採用される女子マッチレース種目。撮影 平井淳一

サンケイビジネスアイ・コラム(63)
複雑でわかりにくい? 五輪セーリング競技

 セーリングは、他の競技に比べてわかりにくいスポーツと言われている。種目の分け方や、競技内容、ルールは、水辺スポーツならではの特別な部分もあり、それが魅力でもあるが、一般の人たちに広く知ってもらうのに、わかりにくさはデメリットである。

 ほかのスポーツと違う点は、まず競技を船の名称で区別されることだろう。多くのオリンピック種目では、性別か個人、団体競技に分けられ、そのなかで競技の内容や人数、その種目特有の区分方法によって分けられている。柔道は体重別だし、スピードスケートでは距離、スノーボードではクロスやハーフパイプといった競技内容で分けられている。セーリングの場合は、レーザー級、スター級、フィン級といった船の種類で分けられるため、前知識がなければ競技を想像すらできない。

 実際には、選手の体重で分けた方が平等だが、屋内スポーツと違って、セーリングは風や波、潮流といった自然条件が勝敗に左右する。風が弱ければ、軽量なほど走りやすいし、風が強ければヘビー級の選手が有利。大会当日の天候は、過去のデータからある程度予想できるものの、はっきりと分からないので、他の競技に比べるたら不確定要素が強いといえる。

 こうしたセーリングのむずかしさを少しでもシンプルにするために、ロンドン五輪では女子種目に、体重制限を用いた3人乗りのマッチレース種目が採用された。この種目は、大会主催者が船を用意し、大会期間中、乗り換えておこなわれるので、船の性能差は関係なく、単純に選手の腕だけで競われる。1対1で戦うので応援しやすく、最終的に勝ったチームが残るトーナメント方式が採用される点もわかりやすい。

 しかし、この女子マッチレースはリオ五輪では不採用となり、ロンドンだけで終わることが決まっている。その背景には、普及率の低さがあり、予想以上に各国から選手が集まらなかったことがあげられる。一度きりで辞めてしまう決断には疑問も残るが、競技に選手を集めるまでの魅力が足りなかったということだろう。(2011.10 文/平井淳一)

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