沖縄座間味、日本470強化合宿密着取材レポート・前編

  • 23
  • Feb

 オリンピックを目指す選手たちは、普段どんな練習をしているのでしょうか? そんな疑問を持つ方は少なくないでしょう。今冬、日本470チームが沖縄・座間味島で強化合宿していると聞いて、バルクヘッドマガジン編集長が取材してきました。(BHM編集部)

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冬季の拠点を沖縄県座間味村に置き、強化合宿をおこなっている日本470チーム。photo by Junichi Hirai

 編集長は、ずいぶん前から気になっていたことがあります。以前、五輪代表の吉田 愛選手と国際大会の現場で話していた時、「座間味の練習に比べたら、どんなにきつい練習でも楽に思えます」とキッパリ言い切っていたのが記憶に残っていたのです。

 いつでもタフなコンディションで練習できる、という座間味の海はどんな場所なのでしょうか? そして、日本のトップセーラーはどんなトレーニングをしているのでしょうか。

 日本470チームは、2015年から冬季の練習拠点を座間味に置き、長期合宿をおこなっています。この合宿は、日本セーリング連盟(JSAF)オリンピック強化委員会がおこなうもので、東京五輪、またはそれ以降の五輪を視野に入れたメダル獲得のための強化合宿です。

 参加資格は日本ナショナルチーム、特別強化、次世代選手で、編集長が取材した2月中旬には日本男子5チーム、女子3チーム、さらにシンガポールから自主参加2チームの合計10艇/20選手が参加していました。

 JSAFコーチ・スタッフ、チームコーチ、関係者を含めると30名以上の大所帯になります。この人数が、11月から2月までの期間(1月はワールドカップ・マイアミ大会に遠征)を、沖縄の小さな島で、ほぼ毎日トレーニングしていたわけです。

 この合宿には海外からの参加もあり、昨年はリオ五輪代表のニュージーランドチーム、招聘コーチとしてリオ五輪金メダルのイゴール・マレニッチ選手(クロアチア)も参加しました。

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那覇から高速フェリーで50分。冬でもあたたかい座間味はセーリングに最適の場所です。photo by Junichi Hirai

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セーリングだけでなく、体力アップも重要な課題です。毎日ハードな陸上トレーニングがおこなわれています。photo by Junichi Hirai

トレーナー4名がセーリングの動作に合わせた特別メニューを考える

 470強化合宿の練習メニューは次のとおりです。内容は時期により異なり、2017年度後半は陸上トレーニング、ワールドカップ・マイアミ大会後におこなわれた2月の合宿では海上トレーニングが中心になりました。

2018年2月13日〜15日のタイムスケジュール
7:30 集合 〜 ジョギング
8:15 朝食
9:00〜10:30 フリートレーニング & 準備
10:30 ストレッチ&ウォーミングアップ
海上練習
16:00 着艇
17:00 パート別トレーニング
フリートレーニング
19:00 夕食
19:45 ミーティング

 座間味合宿のポイントのひとつは、陸上トレーニングにあります。2月にもかかわらず、気温が20度まであがる温暖な沖縄で練習するのは、寒い本州で練習よりも身体を痛めず、ケガを避けられることが大きな理由です。

 陸上トレーニングでは、沖縄県から派遣された2名のセーリング専属トレーナーが帯同し、さらに2名の鍼灸などの専門家が加わり練習をサポートしていました。トレーナーは、毎日ボートに乗って選手をサポートしながら、動作を研究し、それに合わせた陸上のトレーニングメニューを考えます。

 例えば、陸上トレーニングに470クルーに不可欠なフリック(トラピーズに出ながらボディパンピング)のメニューを加えたり、スキッパーはベンチで腹筋しながらシートの代わりにゴムバンドを出し入れする動作を取り入れたり(ハイクアウトしながらメインシートトリム)、実際の動きと連動したトレーニングが行われます。

 これらの反復練習をがむしゃらにやっているわけではありません。例えば、フリックの場合、ワールドカップなどの国際大会を研究し「世界のトップセーラーは1回あたり57回のフリックをおこなっている」というデータに基づき、その回数を続けられることを目的にメニューが組まれています。

 陸上トレーニングは、海上練習前と帰着後に、座間味村が提供してくれている広大なグラウンドでおこなわれ、さらに必要と思う選手は、ジョギングに出かけたり、村が用意してくれた施設でマシントレーニング(エニタイムフィットネスによる協力)をおこないます。

日本470強化合宿密着取材レポート・後編に続きます

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470クルーはロープを使ってフリックの練習。シンプルですが実用的なトレーニングです。photo by Junichi Hirai

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シートやハリヤードを引くことを想定したタイヤ引き。単純ですが負担がかかる反復練習です。写真は日本49erチームの古谷選手。photo by Junichi Hirai

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海上に出る前は全員でストレッチ。選手が海上でケガをした時のために、座間味村と連携して病院へ急行する手配も準備されています。photo by Junichi Hirai

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セーリング練習の前にウォーミングアップ。アンカーをうたないマークをぐるぐるまわり、身体をほぐします。photo by Junichi Hirai

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今月、座間味村が村の救助艇としてRIBを購入。セーリングチームの合宿でも活躍してくれそうです。photo by Junichi Hirai

座間味470強化合宿の様子は、バルクヘッドマガジン・フォトギャラリーに掲載されています。
◎バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
https://junhirai.photoshelter.com/archive

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