Loading

新レースフォーマットで戦う第48回プリンセスソフィア杯開幕!

 3月27日、スペイン・マヨルカ島パルマ・デ・マヨルカで「第48回プリンセスソフィア杯」が開幕しました。この大会は欧州五輪戦線のキックオフイベントであり、世界から2020年東京五輪を目指す選手が集まっています。今年は648艇、833選手(53カ国)がエントリー。今年1月に開催されたワールドカップ・マイアミ大会に出場した合計440選手(44カ国)と比べて約2倍規模となるビッグイベントです。(BHM編集部)

7Z7A0190
パルマ・デ・マヨルカで始まったプリンセスソフィア杯。スペイン・ソフィア王妃の名を大会名に1968年から続く伝統的なディンギーレガッタです。五輪種目の他に、ドラゴン級、J/80、ORCクラスのキールボート、クルーザーレースも同時開催されています。photo by Junichi Hirai

 今年のプリンセスソフィア杯の特長は、大きく変更されたレースフォーマットです。これまで(北京五輪以降の)オリンピック種目では、メダルレースという得点が2倍になる上位10艇の最終レースを作りあげ、メダル獲得が決定する舞台を演出してきました。

 しかし、ファンの期待に応える結果にならない場合が多かったのも事実です。リオ五輪の470級女子、49er級、フィン級では、メダルレース前日に金メダルが決まってしまい、「最終レース=最終決着」はかなわず、エキサイティングとは程遠い内容になってしまいました。

 また、ナクラ17級のメダルレースでは、ペナルティーが連続で与えられ、順位が激しく入れ替わり、見ているファン(その多くはテレビの視聴者です)が、ヨットレースのゲーム性を理解しにくかったこともあげられます。

 昨年11月のワールドセーリング総会では、レースフォーマットの見直しが提案され、このプリンセスソフィア杯で試行されることになりました。このフォーマットは種目ごとに異なり、テスト版としておこなわれます。

 たとえば、470級の場合は、オープニングシリーズ予選3日間(6レース)がおこなわれ上位20艇が決勝へ進出。さらに8艇に絞られてグランドファイナルを戦い勝者を決定します(得点はステージごとに引き継がれる)。

170327_01
470級レースフォーマット

170327_02
RS:X級レースフォーマット

 また、RS:X級では、予選6レースをおこなった後、3位から12位(10艇)が準々決勝へ進出し、そのうち勝ち進んだ5艇と、予選2位の選手による準決勝がおこなわれ、このなかでトップ2艇と予選1位の3選手によりグランドファイナルがおこなわれる、というシステムです(得点は引き継がれない)。

 このフォーマットが種目ごとに違うため、レースが進行してみないと、うまくいくのか理解しにくいものがあります。ただし、東京五輪が開催される日本では、選手だけでなく、運営やサポートする面でも、レースフォーマットを理解する必要がでてくるでしょう。現時点では「オリンピックのレースフォーマットは変更される可能性がある」ことを知っておいたほうがよさそうです。

 さて、プリンセスソフィア杯初日は、午前中は20ノットまであがる陸風が吹きましたが、その風は一気に弱まりシフティーな微風戦で、各種目2から3レースおこなわれました。日本選手の成績は次の通りです。

CH6I1506
初日33位につけたレーザー級の樋口 碧。国内練習、海外トレーニングを積んでこの大会へ挑みます。photo by Junichi Hirai

CH6I1170
東京へ向けて始動。この冬はオーストラリア合宿、春からレガッタ遠征の日々が始まる土居愛実。photo by Junichi Hirai

7Z7A0442
FX級には若き女子ペア、山崎アンナ/高野芹奈がプリンセスソフィア杯初出場です。photo by Junichi Hirai

CH6I2394
49er級で活動をはじめた古谷信玄/八山慎司も49er級国際大会初参戦。初日は微風に翻弄されました。photo by Junichi Hirai

CH6I2257
レーザー級、スター級、再びレーザー級を乗り継ぎ、49er級で東京を目指すロバート・シェイド(BRA。五輪金メダル×2、銀メダル×2、銅メダル×1)。乗り始めたばかりの艇種に苦戦しながらもオーラは消えていません。photo by Junichi Hirai


プリンセスソフィア杯 初日ダイジェスト。映像提供/レイラインメディア


プリンセスソフィア杯大会初日 公式デイリー映像

第48回プリンセスソフィア杯 初日成績
470級男子 参加56艇
1. RUS Pavel SOZYKIN / Denis GRIBANOV 2p
2. BRA Geison MENDES / Gustavo THIESEN 3p
3. USA Stu MCNAY / Dave HUGHES 5p
9. 磯崎哲也/高柳 彬 12p
14. 市野直毅/長谷川孝 15p
45. 小泉颯作/野田友哉 40p
47. 今村 亮/外薗潤平 44p

470級女子 参加42艇
1. SLO Tina MRAK / Veronika MACAROL 2p
2. ESP Silvia MAS DEPARES / Patricia CANTERO 4p
3. CHN Mengxi WEI / Yani XU 5p
29. Marina GALLEGO / 吉岡美帆 30p

レーザーラジアル級女子 参加84艇
1. NED Maxime JONKER 3p
2. BEL Evi VAN ACKER 4p
3. GBR Alison YOUNG 6p
40. 土居愛実 38p

レーザー級男子 参加134艇
1. ESP Joel RODRIGUEZ 3p
2. NOR Mathias MOLLATT 4p
3. ITA Francesco MARRAI 6p
33. 樋口 碧 26p
58. 瀬川和正 41p
87. 北村勇一朗 58p

49er級男子 参加59艇
1. GBR James PETERS / Fynn STERRITT 4p
2. AUT Benjamin BILDSTEIN / David HUSSL 4p
3. GBR Dylan FLETCHER-SCOTT / Stuart BITHELL 4p
52. 古谷信玄/八山慎司 39p

49erFX女子 参加30艇
1. SIN Kimberly LIM / Cecilia LOW 3p
2. NOR Helene NÆSS / Marie RØNNINGEN 5p
3. FRA Lili SEBESI / Albane DUBOIS 5p
12. 山崎アンナ/高野芹奈 17p

RS:X級女子 参加58艇
1. ITA Marta MAGGETTI 4p
2. POL Zofia NOCETI-KLEPACKA 6p
3. RUS Stefania ELFUTINA 8p
40. 小嶺恵美 37p
43. 伊勢田愛 39p

RS:X級男子 参加96艇
1. POL Pawel TARNOWSKI 3p
2. ISR Nimrod MASHIAH 5p
3. ESP Ivan PASTOR LAFUENTE 7p
85. 池田健星 82p
89. 倉持大也 87p

◎48 Trofeo Princesa Sofia IBEROSTAR
http://www.trofeoprincesasofia.org

====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
セイコー
ジャストヨット運送
日本レジャーチャンネル
ベイトリップ セーリング
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
リビエラリゾート
Velocitek
コスモマリン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ

CATEGORY:  DINGHYINSHORENEWSSPECIAL