戦いに決着!2014インカレ個人戦王者決定

  • 07
  • Sep

 9月7日、蒲郡で開催された「全日本学生ヨット個人選手権」最終日。朝から小雨の降る海陽ヨットハーバーは、弱々しい北西の風。しかしレースのできない風ではありません。注目の大会最終日は定刻通りに開始。微風のスタートとなりました。(BHM編集部)

 風は北西を軸に海面には大きなパフとラルが入り混じます。序盤のレースは海面のブローを読み、有利ポジションの選択が重要となる微風戦となりました。また、最終日のポイントは、2レース以上を終えると最も悪い1レースがカットされること。これを踏まえて上位陣は大きく凹むことのない安定した成績を残したいところですが…。

 この海面に翻弄されたのは、前日好調だった日本経済大です。470級暫定トップの濱本/中川は、21位、28位と連続で失点を重ねて優勝戦線から離脱。同大学の磯崎/津留はシングルを連発しますが、彼ら以上の走りを見せたのは小泉/江畑です。だれもが不安定な結果を免れない微風戦を1-2位、さらに風があがってきた第7、第8レースでも6-2位という素晴らしい走りで逆転優勝を決めました。

「危ない場面もありました。2レース目で右海面に出ようというプランで向かっている途中、左海面のブローが見えてコースチェンジ。あの時、左海面に行かなかったら大ハマリする場面でした。これまでスタートが課題でしたが、全レースを通して改善できたこともあります。大会前におこなわれたトレーニングレース(JSAFオリ強が主催した合同練習レース)に出てタイミングをつかんだように思います」(小泉)

「個人戦に出るのは4年になって初めて。優勝できてうれしいです。ただ、普段はなかなかできない他水域の大学と戦ってみて九州勢の強さを認識しました。全日本インカレに向けてこれから追い込みをかけます」(江畑)

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470優勝、同時にMVPも獲得した小泉(右)/江畑。きょうが誕生日の小泉はうれしいバースデイ・ウィナーです。photo by Junichi Hirai

 タイムリミットの午後1時が近づくにつれて風は上がり、海面は白波が立ち始めました。最終日後半は、これまでの微軽風戦を払拭する蒲郡らしいコンディションに。

 大混戦となったスナイプ級でも、レース数を重ねカットレースが入ったことで順位は大きく変わりました。暫定トップの西原/浅原(関西学院大)が成績を崩す中で飛び出したのが、日本大の伊村/大野です。「微風、軽風は苦手、強風が好き」という伊村ですが、3-3-8位の安定成績を見せ逆転優勝を決めました。伊村/大野は今大会1度もトップを取ることなく上位成績を重ねるという、ヨットレースとして理想の流れで初優勝を勝ち取りました。

「優勝できるとは思っていませんでした。前の方でフィニッシュできればいいかな、という気持ちで最終日にのぞみました。軽風までは苦手風域でしたが、ヨット部OBの先輩セーラーにセッティングを教えてもらいかなり改善されました。スナイプチーム全員が入賞できたし、いい感触を持てました」(伊村)

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スナイプ優勝の伊村(右)/大野。「愛知・碧南出身なので地元で優勝できてうれしい」と伊村。photo by Junichi Hirai

 また、12艇によるシングルハンド級は、7レース中5回のトップを取った北村勇一郎(関東学院大)が圧勝しました。北村は関東学院大ヨット部に所属しながら、ナショナルチーム入り、そして五輪を目指す大学1年生。先週までJSAFの若手選手育成プロジェクトに参加し、オーストラリア・パースで2週間の合宿から戻ったばかりです。大会初日はOCSで順位を下げましたが、それがカットレースとなり盤石の勝利を決めました。

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シングルハンド優勝の北村。トレーニングしながら体重を増やすのが課題で現在73キロから12月までに75キロ、最終的には80キロまであげたいとのこと。今回は、以前よりも活動が少なくなっている関東学院大ヨット部を盛り上げることもあって出場しました。photo by Junichi Hirai

 大会初日のレースがキャンセルされ、満足の内容となるか気をもんだ今年の全日本インカレ個人戦。終わってみれば470級8レース、スナイプ、シングルハンド7レース。最終レースでは中風強の風が吹き、心地よい疲労感に包まれる内容となりました。

 全日本インカレ個人戦の最終成績は次の通りです。全日本学連イベントは今月に葉山で開催される「全日本女子インカレ」、11月の福岡小戸「全日本インカレ」と続きます。

470級最終上位成績
1. 小泉颯作/江畑陽太(早稲田大) 18p
2. 磯崎哲也/津留 健(日本経済大)25p
3. 濵本唯人/中川大河(日本経済大) 48p
4. 北詰有人/高濱 良(九州大)52p
5. 中村睦宏/木村直矢(日本大)57p
6. 榊原隆太郎 岡田拓己(中央大)57p

スナイプ級最終上位成績
1. 伊村仁志/大野雅貴(日本大)32p
2. 西原成駿/浅原宗一郎(関西学院大)51p
3. 垣野雅人/石川雅也(同志社大)56p
4. 井嶋清芳/大井航平(日本大)59p
5. 平田将人/松岡 慧/石橋昂士(和歌山大)66p
6. 持田由美子/塩谷 涼(日本大)66p

シングルハンド級最終上位成績
1. 北村勇一朗(関東学院大)7p
2. 光村一帆(東海大)15p
3. 野田元輝(京都産業大)19p

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【東京オリンピックとインカレ】
 本大会が開催される前日、JSAFレース委員会による「選手のためのレースマネジメント・セミナー」が開催され、任意出席のセミナーに100名以上の選手が参加しました。このセミナーでは2020年東京五輪を控え、セーリング競技で必要になる運営スタッフの案内や、国際大会でおこなわれているレース方式(コースやフラッグ掲揚、運営の方法など)が説明されました。また、閉会式で岡田レース委員長(JSAFレース委員会)より、「東京五輪を見据えて、学連とJSAFレース委員会がお互いに協力していきたい。今後、インカレでも国際ヨットレースでおこなわれている一般的な方式の採用を考えていきたい」ということが発表されました。日本のインカレが世界のヨットレースと共通していない部分があるのは事実です。オリンピックという世界最大のセーリングイベントが日本で開催されることで、インカレの内容も変化していく可能性があり、バルクヘッドマガジン編集部としては、必要な部分は改革し、良い流れに向かってもらいたいと考えています。photo by Junichi Hirai

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インカレ個人戦470級成績

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インカレ個人戦スナイプ級成績

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インカレ個人戦シングルハンド級成績

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