女子インカレ 展望と解説(スナイプ・総合)

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  • Sep

 9月21〜23日まで葉山港で全日本女子インカレが開催されます。昨日掲載した外道無量院さんとなまちゃんによる対談「展望と解説」の続きを紹介します。今回は、スナイプ級、総合についてです。(BHM編集部)

 外道無量院さん独特の辛口批評に加え、なまちゃんの情熱的な意見が入って、今回も読みごたえたっぷりの内容になっています。外道無量院さんの解説記事を掲載するようになって、ずいぶん経ちますが、その研究熱心さと全国の選手を見る観察力には脱帽です。時々、話が脱線することもありますが…。

 編集部は、これを読んだ学生選手に予想を覆すよう発奮してもらい、また、OBOGをはじめとする学連関係者にもいろんな方面から刺激を受けてもらい、学生ヨットレースをより楽しく、盛り上げていきたいと考えています。

 さあ、全日本女子インカレは21日に開幕です。最終日のレース終了時間が早いので(11時30分最終予告)、実質2日間のレースといったところでしょうか。よい風が吹きますように!


2012年度の学生ヨットクイーンを決める戦いが21日に開幕します。photo by Junichi Hirai

全日本女子インカレ 展望と解説 スナイプ級、総合
(文/なまちゃん・外道無量院)

なまちゃん「さあ、続いてスナイプ級の予想と解説です」

なまちゃんのスナイプ級予想
◎・・・日大・持田(2年・磯辺)/町田(1年・大島海洋)
◯・・・関西学院大・樫原(3年・啓明学院)/末繁(3年・別府青山)
◯・・・早稲田大・山口優(2年・唐津西)/杉井(4年・頌栄女子)
▲・・・関大・田中瑞(4年・長崎工)/土田(3年・弘学館)
△・・・関大・藤井(4年・加古川西)/沖(3年・池田)
△・・・甲南大・善本(4年・高松商)/梅田(4年・親和女子)
△・・・明治大・山口紗(4年・磯辺)/船橋(2年・国立)
△・・・同志社大・岡本(4年・同志社国際)/北野(3年・同志社香里)
△・・・龍谷大・塩田(4年堅田)/井之上(1年・京都学園)

なまちゃんの寸評
 470とは違い、絶対的な本命が不在。混戦が予想される。その中で、レース形態を考えると、やはり「安定性」がキーワードとなるだろう。その安定性があるのはどのチームなのか考えたが、持田艇(日大)、樫原艇(関西学院)との結論に達した。

 山口優艇(早稲田)は、個人戦でも女子スキッパーとして最上位の9位なので、優勝してもおかしくない実力だが、安定性を考えると??? しかし、逆転は可能であろう。注意したいのは近北優勝の塩田艇(龍谷大)、岡本艇(同志社大・個人戦チャンプの西村秀樹艇のクルーとして経験あり)、また関西大勢か? ただ、有力チームならどこが勝ってもおかしくない状況。

外「『対抗』が2艇とは反則じゃないの?(笑) 確かにスナイプは大混戦間違いなし。そこで、『470との違いは何か、そしてそれを生かせる立場にあるのは?』という事を考え、その解としての予想だ。


日本大の持田由美子。写真は2012年インカレ個人戦より。photo by Junichi Hirai

外道無量院のスナイプ級予想
◎・・・・関大・田中瑞(4年・長崎工)/土田(3年・弘学館)
〇・・・・関大・藤井(4年・加古川西)/沖(3年・池田)
▲・・・・日大・持田(2年・磯辺)/町田(1年・大島海洋)
△・・・・甲南大・善本(4年・高松商)/梅田(4年・親和女子)
△・・・・早稲田大・山口優(2年・唐津西)/杉井(4年・頌栄女子)
△・・・・関西学院大・樫原(3年・啓明学院)/末繁(3年・別府青山)
△・・・・明治大・山口紗(4年・磯辺)/船橋(2年・国立)
△・・・・関西学院大・三好(2年・県芦屋)/山本(4年・追手門)
△・・・・明海大・田上(3年・東海第二)/有銘(3年・沖縄尚学)
穴注・・・・法政大・堤(4年・福岡第一)/山藤(2年)
特注・・・・鹿屋体育大・堤(4年・青森工)/薄田(3年・新潟高志)

外道無量院の寸評
 基本的にスナイプは470よりも「知識と理解を伴った経験」が重要。関東ではそれほど「スナイプ向き」とは思えない2年生の日大・持田(昨年は470で出場・9位)があっさりと優勝し、エントリー数も470にかなり及ばない。このクラスでは明らかに関西勢の方が層も力も上と読んだ。

 入学時から有望視されながら無冠のまま最上級生となった関大・田中瑞、昨年のシーズン後半を失った関大チームとしても『復活の狼煙』として、ぜひとも欲しいタイトル。さらに、このところ田中瑞に負けない走りを見せる僚艇の藤井艇とともに今年はともに有力とみた。

 女子インカレ史上初の「総合3連覇」のプレッシャーが掛かる関西学院大の2艇のホンネは、クラス優勝よりはより固く走っての「総合優勝狙い」だろうが、若いスキッパー陣を優勝経験のある山本(2010年スナイプ優勝艇クルー)、個人戦4位の末繁という実績も経験も豊富なクルー陣が上手くリードできれば、生ちゃんの言うとおりクラス優勝も可能だ。

 思い切って勝負できる存在として面白いのは甲南大・善本艇。昨年は特に後半に良く走って4位と健闘した。昨年の4年生を除けば最上位に立つ実績だ。

 明治大・山口紗艇のクルー船橋は、個人戦3位とがんばった。昨年、最終レースで関学・若林艇=準優勝に出したプロテストに逆転判決のDSQを喰らって13位と悔しい思いもした。最上級生の今年はタイトル奪取の最後のチャンス、ともに燃えていよう。


休部から復帰した関西大の田中瑞紀。注目です。photo by Junichi Hirai


早稲田大の山口優。photo by Junichi Hirai

 早稲田・山口優艇(昨年11位)も力はソコソコと見るが、いつも肝心なところで出る「大叩き」が、今シーズンになってもここまでは改善していない。

 関東内では躍進の目立つ明海大勢。先日に終った全日本個人戦でもそうだったが、「全日本」の舞台となるとまだまだ関東水域で見せる力がここまで発揮できていないが、今年から現場指導を担当しているというプロコーチ・脇永達也の手腕で、田上艇をどこまで走らせられるか?

 そして『大穴』なら、今年は就活・教育実習等で練習不足だったのか、ここまでは不調ながら、高校時代は波多江より力があった法政大・堤ひなた艇とする。クルーの山藤が『マネージャー』では苦しいだろうが、その山藤は、昨年の女子インカレでは、470で出場した同じ堤ひなた艇のクルーとして出場(17位)した経験もある。その根性に期待したい。

 最後に「美人・スナイプ版」としては、鹿体大・堤優華艇を推奨しておく。

なま「鹿体大の堤優華は、昨年まで470のクルーをやっていた(昨年は470級クルーで5位)長身で手足が長い選手ですね。クルーの薄田が個人戦では鈴木艇(2011年個人戦チャンプ)に乗って6位。昨年のこの大会も岡美江艇のクルーで6位でした。

 私がスナイプでの『美人』をあげるなら、『森井ひかる』選手ですね。470のみなみちゃんと同じ学習院大の4年生。彼女も遜色ありません! 済みません、話が脱線しそうなのでこれくらいで(笑)。

 それにしても休部明けの関大勢を抜擢するとは大胆な予想ですね。確かに昨年は470・後藤沙季(4年時の全日本クラス公式戦を出場できぬまま卒業した関大・後藤沙織の実姉)をはじめ、水域内では互角の対戦成績だったライバルの関西学院大がこの女子インでは470&総合優勝の2冠、そし全日本インカレでも同じ関学が470クラス優勝ですから、共に「出ていれば?」と思うと残念でしたよね。

 しかし、昨年の夏からかなりの長期休部状態でしたから、そう上手くいきなりの『鉄砲がけ』がありますかね? 続いて『総合』をまとめます」

◎関西学院大の史上初3連覇なるか?

なまちゃんの総合予想
◎・・・関西学院大
◯・・・早稲田大
▲・・・日大
△・・・関西大
注・・・明海大

なまちゃんの寸評
 470・スナイプの印から関西学院大、史上初の3連覇に期待した。470は昨年優勝した松下艇、スナイプは樫原艇と安定している。それぞれの2番艇、470・松浦艇とスナイプ・三好艇がメキメキと力を付けているのも好印象。

 対抗は早稲田大だろう。470の山口(祥)艇は計算できるが、スナイプの山口(優)がどこまでがんばれるかで逆転は可能であろう。3番手は、関東個戦で優勝した持田艇を擁する日大。ある意味オールラウンダーともいえる走りは計算できる。しかし470若林艇が実力はあるがまだまだ不安定だ。

 穴として関西大。両クラスとも3艇ずつとかなり有利なことは間違いないが、部自体の長期謹慎・休部明けであり、相当気負ってるのではないか?と想像する。英語などは要注意である。ただ、実力的には遜色ないだろう。

 注意したいのが明海大。脇永コーチ就任後、結果は徐々に出てきている。470は波田地は安定しているが、問題はスナイプの田上艇がどこまでやれるのか注目してみたい。

外「ほほう、『史上初の総合3連覇達成』ときたか! 水域女子インでは両クラスとも関大にあっさりと負けているのでどうかな? 確かに今回の関学は…、両クラスのエース艇にはどちらも出場艇中では一番新しい艇体を使ってくることから、『3連覇』に並々ならぬ意欲がうかがえるのは確かだ。応援の方も、関東在住のOBを総動員らしい。それでは、私の総合への見解を披露させていただく。

外道無量院の総合予想
◎・・・・関西大
〇・・・・早稲田大
▲・・・・関西学院大
△・・・・日大
注・・・・甲南大

外道無量院の寸評
 早稲田大と関西学院大はほぼ互角。そして、関大はその関学より上と考えると導き出た結論。総合争いでは抜けた存在が見当たらない中、両クラスに各3艇が出るのも絶対に有利だ。『インカレ』と『女子イン』は、ともに『捨てレース無し』ではあるが、『全3艇単純合計』と、『ベスト1艇』という大きな違いがある。

 関大勢にとっては、昨年、『桧舞台』を踏めずに卒業していったOB/OG達を含めての無念を晴らす、絶好のチャンス到来と見た。長期ブランクのハンディキャップは、もちろん否定できないが、両クラスに6艇出して来ることは、長期間の休部状態にも耐えた辛抱強い部員が多い、ということの証明ではないか?

 今シーズンに入ってここまでの経過を見る限り、長期休養明けとはいえ克服可能とみた。逆にやはりその影響が出た場合、各選手が力通りに走れば、早稲田と見るのが順当なんだが、『総合』となるとどうしてもスナイプでの不安定さが気に掛かる。関学でも互角の力はあるだろう。

 対照的に「大舞台」に強いのが日大470・若林艇。ジュニア時代はOP級世界選手権で女子優勝(総合5位)、昨年は国体少年女子SS級優勝と、不思議と期待されていないと突然に良い結果を出す意外性のある選手だ。

 また、総合での「大穴」には、甲南大の名前を上げておこう。頻度が少ないとはいえ、数々の選手をブレイクさせてきた実績を持つ名コーチ・山本悟が度々指導しているからだ。スナイプ・善本艇がクラス優勝に絡み、470・神木艇が入賞圏勢に絡む走りができた場合、あっと驚く結果が出るかもしれない。

なま「う〜ん、外道さん、今回はやけに予想に『情』が入りすぎていませんか?(笑)それでは今回も長々とありがとうございました。良い天気、良い風に恵まれて欲しいですね」

外「その通り、公平な条件の下で公平な運営がされ、タイトルに相応しい勝者が誕生する事を祈るのみだ。そして、『情けは人の為ならず』とも言うが、特に女子については『情』も時には必要なのだ」

 出場選手各位の幸運と健闘を祈る。

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