全日本インカレ 展望と解説(スナイプ級)

  • 26
  • Oct

『琵琶湖全日本インカレ スナイプ級』
文/外道無量院・なまちゃん

外道
 近畿北陸水域で圧倒的完全優勝を飾った同志社大。念願の全日本個選タイトルをようやく奪取したエース艇・西村秀樹(4年・中村三陽)/中川健太(1年・延暦寺学園)を中心に、2番艇の野瀬康晃(4年・滝川)/杉原亮太(3年・清風)、3番艇の垣野雅人(2年・清風)/柳林俊(3年・洛南)が、全日本個選では5位、7位とオールシングルの順位にまとめ、確実に実力を付けている様子。

 控えスキッパーにも、昨年のインターハイチャンプのルーキー・山田剛士(1年・中村三陽)がいる強力な布陣だ。名門・同志社大が、久々に全国レベルでも抜きん出た存在か? 琵琶湖では、蒲郡個選ほどの良い条件の再現はあり得ないだろうが、そうは言っても地元中の地元の名門だ。対応は身に染み付いているだろう。


蒲郡インカレ個人戦で名勝負を演じた同志社大・西村(左)と早稲田大・加藤。photo by Junichi Hirai

なま
「絶対本命」西村秀樹(4年・中村三陽)を擁する同志社が大本命なのは仕方がないですね。2、3番艇も計算がたつ。が、問題はプレッシャーに勝てるかどうか? でしょうね。地元特有の重圧により負けたケースはいくらでもある。いずれにせよ、それだけの実力を有するチームであるといえると思います。

外道
 今年の早稲田・同志社の定期戦では、特にスナイプに関して徹底的に同志社の圧勝だった。その早稲田が関東では「英語」がありながら比較的楽にクラス優勝。ゆえに、今年のスナイプに関して関東勢は苦しそうだ。

 関西インカレを両クラスで圧倒的な強さを見せて完全優勝した関西学院大を関東勢より上位に評価する。主将となった若竹翔平(4年・別府青山)/末繁まゆ(3年・別府青山)は、全日本個選でも4位と進歩を見せ、チームを牽引する存在となった。1年生時からレギュラーとして活躍している2番艇の小栗康弘(3年・中村三陽)/山本千紗(4年・追手門)は、強風域は得意とするが、微・軽風域に弱く、琵琶湖でどうかの不安が付きまとう。

 3番艇の舟木葵(2年・中村三陽)/太田亮(4年・赤穂)が全風域でソコソコには走るので、2番艇の出来がカギになる。また、同志社に劣らず、こちらも全日本女子インカレのチャンプ・スキッパー、樫原梨乃(3年・啓明学院)が4番手に控える贅沢な布陣だ。

なま
 いま総合を取ってない大学の中では「関西学院」が筆頭ですよね。しかし、470が勝った時は、いずれもスナイプが失敗というケースとなっている。同志社と遜色ないことから実力はあるが、どこまでチームレースに徹することができるか? また自信をもって臨めるかだろうと思います。

外道
 ここのスナイプは、いつも「英語」が出るからね。反面、470は「英語」のない年には優勝している。就任3年目を迎えた網野監督だって、いい加減に徹底することだろう。

 後述するが、この点は慶應と対照的だ。さて、このクラスでポイントとなるのは、関東インカレ優勝の早稲田大の出来。個選で同志社・西村艇と最終レースまで優勝を争ったエース艇・加藤文弥(4年・海津明誠)/江口龍馬(4年・幕張総合)を中心に、2番艇・山口優(2年・唐津西)/三ツ木駿(3年・明治学院)、3番艇・島本拓哉(1年・磯辺)/櫛田佳佑(2年・早大学院)という布陣。

 エース艇が存分に力を発揮し、インカレ初舞台となる2、3番艇のスキッパーがリラックスして走れるような状況を作り出せれば、関東インカレの再現も可能か?

なま
 春先、調子が悪かった早稲田は、先日見事クラス優勝した。よく復活したと思う。エースの加藤艇を中心にまとまって走る伝統はどうやら残ってるようです。山口優さんの前回の走りは好印象。意思の疎通もできている印象です。島本君も1年生の割にはがんばっていました。ポイントとしては全日本でも関東と同じ作戦を実行できるか? にかかってますよね。

外道
 私には、関東では優勝・準優勝した早・慶よりも一番力があるように個別には見えた日本大。安藤嶺(4年・別府青山)/塩谷涼(2年・高松工芸)、西宮敬宏(4年・霞ヶ浦)/大野雅貴(1年・別府青山)、井嶋清芳(2年・霞ヶ浦)/伊村仁志(2年・碧南)と揃える布陣は、力では早稲田に勝るともとも劣らないかと見えた。

 関東インカレでは不調の平松に代わって一時的に470スキッパーに使った持田由美子(2年・磯辺)を、琵琶湖ならスナイプでスキッパーに起用する手だってあるんじゃないかな。とにかく、昨年に取り戻したかに見えた自信が甦れば大逆転も?

なま
 関東インカレで思わぬ負け方をした日本大。各艇ともトップフィニッシュがあるなど、実力は関東ナンバー1だけど、チームレースのノウハウが多少欠けている。

 しかし、黄金時代の某OBが緊急ミーティングを開き、どうやら叩き込まれたらしいですよ? そのようなレースができれば、同志社をも逆転できる要素はあります。先日の関東インカレで負けたのが不思議なくらいですから…。


前年度スナイプ優勝の日本大。写真は主将の安藤艇。今年はどんな活躍を見せるか?photo by Junichi Hirai

外道
 その日大に競り勝って関東準優勝の慶應義塾はどうか? エース艇の畑中翔太郎(4年・慶應義塾)/栗林広行(4年・慶應義塾)の不調を、2番艇・船越慧(4年・慶應義塾)/松垣諭(3年・世田谷学園)、と3番艇には不調の加藤賢人に代わって起用されたルーキー阿部七海(1年・酒田西)/宮島宏斗(4年・慶應義塾)が予想以上に善戦してがんばった。

 全国レベルでは手薄に思える布陣だが、どこまで戦えるだろうか? 私が感じる慶應の特筆すべき点は、今年の関東インカレでも両クラスを通せば早稲田、日大に「英語」があったのに比べ、このところ数年間の主要インカレでは、「英語」には無縁という事だ。今回もそれがなかった。出場艇が増える全日本ではより影響が大きいのは当然だろう。

なま
 慶應スナイプは関東インカレを見ても実力的にはこの位置、優勝争いとなると少々苦しいのは否めない。しかし、エースがいなくても優勝した例はいくらでもある。「計算高いレース」ができるかどうかが鍵でしょうね。

外道
 九州インカレで470が落選し、何十年かぶりの片クラス出場となった名門・福岡大。部員が減ったことも影響しているのだろうが、今回は470に乗っていた選手もスナイプに乗せ換え、「全部一丸」となって雪辱の構えだ。九州インカレは8月に終っているので、470→スナイプのコンバート等の準備期間としては充分に思える。

 2008年西宮大会のように、最後まで優勝に絡んでくるような奇跡を起こせるか? 同志社に続く地元勢の名門・立命館大、個選3位のエース・横田貴大(3年・藤沢西)を擁する明治大、軽量女子スキッパー陣が琵琶湖向き、の関西大あたりも上位進出を狙っている。

なま
 私は関東勢に期待したいですね。復調したエース横田を擁する明治は、やはり2番艇、3番艇の動きがポイント。横田君がきっちりリードし、自分をも犠牲にするようなレースをするとわからないが、優勝争いとなると???

 福岡大の片クラスはちょっと寂しいですよね。しかしスナイプの一時代を築いた名門校として、プライド溢れる走りは観たいものです。それでは、私の予想をまとめます。

なまちゃんのスナイプ級予想
◎・・・・・・同志社大
◯・・・・・・日本大
▲・・・・・・早稲田大
△・・・・・・関西学院大
△・・・・・・慶應義塾大
△・・・・・・明治大
△・・・・・・福岡大

外道
 こちらは、お互いに同じ本命で、ひねりようがないな。対抗以下の順番が違うことくらい。生ちゃんが言うように、地元開催が逆にプレッシャーになる自滅パターンしか、負ける要素がない。

外道無量院のスナイプ級予想
◎・・・・・同志社大
◯・・・・・関西学院大
▲・・・・・日本大
△・・・・・早稲田大
△・・・・・慶應義塾大
△・・・・・福岡大
△・・・・・明治大
△・・・・・立命館大
△・・・・・関西大

 地力に加えて地元開催。同志社大の本命は揺るがない。対抗は、その同志社大との定期戦で唯一、ほぼ互角の走りをした関西学院大。この両チームをまとめて負かすとすれば、本領を発揮できた場合の日本大とした。

 関東優勝の早稲田大、準優勝の慶應義塾大が4、5番手。6位入賞を争う順番としては、福岡大、明治大、立命館大、関西大とした。

 前述したように、それぞれに見所はあるが、私は特に「全力スナイプ」で望む福岡大と、「全日本スナイプ優勝請負クルー」・上田真聖(福岡大OB)がコーチに就任した関西大に注目したい。

(総合へ続く)

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