世界最大規模の大西洋横断レース「ルート・ド・ラム」を見て大いに刺激を受ける!

  • 08
  • Nov

 11月4日にスタートした大西洋横断「ルート・ド・ラム 2018」のスタートを見学した鈴木晶友さんからレポートが届きました。鈴木選手は2019年秋に開催される大西洋横断「ミニトランサット」に挑戦していて、その準備のために渡仏しています。(BHN編集部)

 出場艇が並ぶフランス、サン・マロのレースビレッジを見学した感想は「すごい!」の連発。日本では考えられない規模の大きさ、そして大勢のファンがレース会場を訪れる様子に興奮を隠しきれません。

 バルクヘッドマガジン編集長も世界的な大きなヨットレース・イベントを取材するたびに、日本では規格外の大きさに圧倒されます。世界のヨットレースはデカくて奥が深い!


レースビレッジは大勢のファンが訪れます。ファンが船の近くまで来て見学できるようになっていて、巨大レース艇を間近で見学できるし、タイミングが良ければ選手と話すこともできます。photo by M.Suzuki

驚きの連続!「ルート・ド・ラム」レースビレッジを訪れて

 11月4日、フランス・ブルターニュ地方のサン・マロから、カリブ海のグアドループ島を目指し、ルート・ド・ラム(以下RDR)がスタートしました。(レポート/鈴木晶友)

 RDRは名前の通り、その昔カリブ海からヨーロッパにラム酒が伝導したルートを辿るヨットレースです。1978年から続く4年に1度のイベントで、今回が40周年となります。

 フィニッシュ地のグアドループ島は、今もラム酒の名産地として有名で、日本でもグアドループ産のラム酒を目にします。

 今回、自身の活動(ミニトランサット2019チャレンジ)での渡仏中に、RDRのスタートと重なったため、スタート地サン・マロを訪れ会場の様子を直に感じてきました。

 11月2日、スタート2日前にレースビレッジに到着した私の作戦は、まだ観客が少ないうちにゆっくりと参加艇を眺めようというものでした。しかし、その策略は大きく外れ、サン・マロの街はすでに観客やレース関係者であふれています。

 9月に江の島で開催された「セーリング・ワールドカップ」の超超超!巨大版と言えば伝わるでしょうか?

 独立した島ではないものの、アクセスできる道が限られ城壁に囲まれた立地のサン・マロは、観光地としても栄えています。その街がRDRの期間中は車を通行止めにし、駐車場などのスペースは全てレース関係のブースが軒を連ねています。

 平日にも関わらず至る所でトークショーやイベントが開催され、その賑わいは夜になっても収まらず、ライトアップされたレース艇をバックにナイトイベントが続いていました。


スタート地のサン・マロ。スタート期間中の町は、クルマ規制があって完全通行止めです。photo by M.Suzuki。


夜のハーバーはライトアップ。ナイトイベントもおこなわれていました。photo by M.Suzuki


スタート前の〈貴帆〉北田選手。Class40に出場しています。レースの最新情報は(https://www.routedurhum.com/en)のトラッキングでわかります。photo by M.Suzuki

11月7日現在、レース艇は大型低気圧に見舞われている

 RDRの参加クラスは、6クラスに分かれます。最も大きな「Ultime」は、100フィートクラスのトリマランです。続いてヴァンデグローブで採用されている「IMOCA60」クラス、「Multi 50」、そして最も参加艇数が多い「Class 40」です。

 このClass40クラスにはRDR日本人初参戦として、北田浩スキッパーの〈貴帆〉が出場します。北田氏は2016年のThe Transatに続く2度目の大西洋横断です。

 残る2クラス「ラム・モノ」と「ラム・マルチ」は、オールドスタイル中心のモノハルとマルチハルのクラスです。

 合計123艇の参加艇は全クラスシングルハンドで、3500マイル先のフィニッシュ地グアドループを目指します。これだけ多くのセールボートが(しかもシングルハンドで)、一斉に大西洋横断を目指すレースは他にありません。

 今回RDRの様子を直に見て、あらためてフランスの外洋セーリング人気を感じることができました。レースビレッジには参加チームのスポンサーブースや、ショップ、VR体験を楽しめるエリアなどがあり、1日では周りきれない規模です。

 セーリングが人気と言うこともありますが、このようなイベントを介して新たなセーリングファンが生まれるんだなと、確信しました。

 11月4日14:00に全艇同時スタートした艇団は、貿易風に乗るため、一路アゾレス諸島を目掛けて南下します。

 現在スタートから4日目を迎えていますが、大西洋上に巨大低気圧が発生しており、ディスマストやキャプサイズなど多くのトラブル艇が続出しています。嵐の本番はこれからです。参加艇の無事を心よりお祈りします(11月7日22時現在、約40艇が避難港に入港していて、日本艇〈貴帆〉も無事です)。


100フィート超(30.6m)のフォイリングトライマラン〈MACIF〉でトップを走るフランシス・ギャバ。photo by Vincent Curutchet

世界には日本では想像できないヨットレースがたくさんある!

 わたしが目指しているミニトランサットも単独大西洋横断ヨットレースです。RDR参加数の1/4にあたる31名がミニトランサット経験者だそう。自分の活動の先にはこのようなステージもあり得ると思うと、今後の活動の夢が広がる気がします。

 いままでディンギー中心で活動してきて今年から外洋セーリングの活動を始めましたが、この世界を知るほどディンギーで基礎を学んで良かったと思うとともに、セーリングの世界の広さを感じます。

 わたし自身、まだまだ経験不足ではありますが、大学ヨット部を卒業したセーラーの皆さんにはこれからも色々な形でセーリングを続けてもらえれば幸いです。この世界、とにかく楽しいです!

◎鈴木晶友選手のフェイスブック
https://www.facebook.com/masatomo.suzuki
◎FLATWATER ウエブサイト
http://flatwater.jp/


大型低気圧により予想外の展開となっている今年の「ルート・ド・ラム」。ディスマストによるリタイア艇も出ています。photo by Sam Goodchild


世界の頂点を極めたセーラーが最後に挑戦するのは? 答えは「単独(ひとり)世界一周最短最速記録」です。ヴァンデ・グローブで優勝したフランシス・ギャバ(写真右)、前回ヴァンデ優勝のアルメル・レ・クリーチ(写真左)は、ヴァンデ・グローブで採用されるIMOCAを卒業してモンスタートライマランの舞台へ。彼らは本大会にも出場していますが、最終目的は単独世界最速最短記録です。現在の記録はギャバの持つ42日16時間。フォイリング艇でさらに「世界一周記録を短くする」、というのですから恐ろしくも魅力的な挑戦です。(BHM編集部)

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