ヨットレース繁盛記。今年も行ってきました!大島レース・前編

  • 04
  • Jun

 第65回大島レースの特集はまだまだ続きます。レポート第4段は、ホビーホーク号、石丸寿美子さんの連載・ヨットレース繁盛記です。序盤はウキウキ、初島でアレレ? 大島でドヒャー!。今回も寿美子テイストあふれるレポートです。「マーブル模様のようなヨットレース」とは、言い得て妙、ですね。大島レース繁盛記は、前編、後編に分けて掲載します。(BHM編集部)

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今年も大島レースに参戦してきました!photo by Hobbyhawk

連載ヨットレース繁盛記
第65回大島レース・前編

 歴史ある外洋レース「第65回大島レース」に今年も参加しました! 前回は荒れに荒れて、もう身も心もフネもセールも(そのあとのお財布も)全てボロボロになって、ほうほうのていで帰ってきました。ほんの91マイルのレースだけど、あらためて海の厳しさを思い知らされたのでした。それでもまた出てしまうのは、身近でありながら、やっぱり憧れのレースであり、面白さと難しさと厳しさがマーブル模様のように混じりあった、チャレンジし甲斐のあるレースだからです。(文/石丸寿美子)

重量級ハイクアウトでぐいぐい走る!

 今年は今まで以上に気を引き締めて準備にあたり、レースの前の週にはカテゴリー3(編注:ISAFが定める安全規定。国内では日本に最適化した安全規定を使います)のすべての項目について、しっかりと点検をおこないました。

 そして、セーフティー・セーリングに関して乗員全員が普段より1ランク上の意識で臨むよう、朝のミーティングでも安全備品の格納場所や使い方、MOB対応(編注:落水者の救助。Man overboard)などをもう一度確認しスタート海面に向かいました。

 朝のうち吹いていた北風は、予報通り南に変わりました。スタートしてから初島までは240度24マイル。ポートの一本コースです。真ん中少しアウター寄りからまずまずのスタートを切りました。もしかしてジブトップが上がるかな?と目論んでいましたがスタート直後から右に振れて行き、結局のぼり一杯に。

 今回はHMYC(葉山マリーナヨットクラブ)の僚艇から、二人の重量級助っ人に乗ってもらっています。風はどんどん強くなってきていますが、これまでのところ、スーパーハイクアウトがかなり効いていて、殆ど逃がすことなくぐいぐい走れて気分爽快! ヤッホゥ! しっかり起こせばレーティングで格上のフネとも遜色ない角度・スピードで走れます。レースではいかにウエイトが大切なのかあらためて実感しました。

 その後、風はさらにあがり、ラフな波に激しく叩かれるようになってきました。こうなると小型艇はちょっと厳しいです。結局ポートのクローズ一本、ノータックで初島までやって来ました。リーディングフリートの大型艇が初島の向こう側から大島へ向かって行くのが見えます。15時02分、初島回航。これまでのところ、かなり早い展開で、いい位置に付けています。

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ホビーホーク号。今回は重量級助っ人のおかげで快走、快走!photo by Junichi Hirai

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初島が見えてきました。でも、この先に地獄が待っていたのです。photo by Hobbyhawk

マジデスカ?罰ゲーム?

 大島へ向けての第2レグは、反対タックでまたまたクローズです(と、この時は信じて疑いませんでした)そして、初島を回り込むと風が落ちてきました。後続が次々タックを返していきます。ホビーホークは、セールチェンジのタイミングや段取りなどで、ほんの少しだけ伸ばしてから返しました。直後、ん? なんだか急激に様子がおかしいです。

 真鶴半島、初島、宇佐美を結ぶあたりは三方を山に囲まれていて、その地形に沿って風が遮られたりベンドしたりするため、風がとても不安定なエリアです。さっきまであんなに吹いていて、行く先にもずっと風があるように見えたのに、そしてすぐそばの艇団だってあんなにヒールしているのに、悪い冗談としか思えません。マジデスカ?

 風が完全になくなり、セールがバッサバッサと暴れはじめます。イライラ度マックス! しばらく悶えた後、わずかに吹いてきた風はなんと北風でした。ぬぉー、聞いてませんよ、そんなの。

 地形の影響はもちろん、そこを通過する時間帯によって風がまったく変わってしまうのは良くあることだし、それをどう切り抜けるかがレースの重要な要素であることは、十分わかっているつもりでも、これだけまんまとハマッてしまうとかなり凹みます。しょんぼり。

 そこからしばらくは、北のそよ風の中、だらしなーく垂れ下がるスピンを必死に広げながら走ります。ようやく抜け出し、本来の南西風が支配するエリアに入ったのは日が傾き始めた頃でした。

 まだまだ先は長いので、絶対に諦めず、できることはすべてやろうー! ということで、初島をまわってから、ライト→スピン→ジブトップ→ライト→ミディアム→No.3と怒涛のセールチェンジ。フットワーク軽いバウチームには本当に頭が下がります。

 日没を過ぎた頃には再びガストで25ノットが見え始め、逃しっぱなしになってきたため、ここでメインをリーフします。リーウェイも酷く、大島南方・千波埼までは上りきれそうにありません。

 元町の明かりに近づき、風が落ち付いてきたのを見てリーフを解除。その後大きくシフトする風に合わせて何度かタックをし、ようやく千波をかわしてベアダウンです。この頃に関東地方で大きな地震があったことはもちろん知りませんでした。

 21時34分、竜王埼の灯台をマグ0(編注:マグネット0度。船から灯台を真北に見るということです)に見て、大島回航のロールコール。この時点で近くで視認できる船はようやくキャッチアップした1艇のみ。

 いよいよ相模湾に向かって北上する最終レグに入ります。風向は西南西で安定しているようで、スピンかジェネカーが上がる角度ですが、また風が強まる気配があるため取り敢えず様子見です。そして、大島の東側に出てしばらくしたら…。やっぱり来ましたよ。筆島沖で「アイツ」が待ち伏せしていました。

※「アイツ」とは一体??? ドッキドキの後編へ続く!(BHM編集部)

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大島が近くなり、風が上がってきたのでメインセールをリーフ(縮帆)します。photo by Hobbyhawk

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大島レースコース図。photo by Hobbyhawk

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