セーラーのためのヨットレース撮影講座 (2)

  • 27
  • Feb

 ヨットレース撮影講座2回目です。前回はシャッタースピードや、撮影ボートのポジショニングについて紹介しました。今回もヨットレースに限定した撮影方法を伝授します。陸では、あまり役に立たないことかもしれませんが…。(BHM編集部)

 今回のポイントは、(6)の「風の動き、選手のアクションを読む」ことでしょうか。他の項目は、はっきりいって同じ撮影ボート、同じ機材、同じセッティングで撮れば、同じ写真ができあがるものです。

 違いが出てるのは撮影者の視点です。つまり「いま視界に入っているものの中で、どの部分に注目するのか」だと思います。特定の選手にスポットをあてるのか、斜め45度後ろからの船のフォルムを撮りたいのか、波がバウに当たって弾けるシーンがいいとか、キラキラした夕日をバックにしたいとか、いろいろありますね。

 みなさんも、好みの視点でガシカシ撮ってみてください!

セーラーのためのヨットレース撮影講座(2)
 さて、ヨットレース撮影方法の続編です。ここで紹介するのは現場で覚えた完全自己流ですが、世界中さがしてもヨットレース専門の撮影マニュアルは存在しないと思うので、一部のファンには貴重なテキストになるかもしれません。

4. 水平線は平行。空と海の割合を3対1に
 いい加減にシャッターを押すと水平線が斜めになってしまい、安定感がなく、落ちつきのない写真になってしまいます。画面内の水平線をなるべく真っ直ぐにしましょう。両目をあけたり、アイピースから目を離して撮影すると広い視野で見られるので、いい練習になると思います。

 また、画面のなかで、空と海の比率を3対1程度にすると写真に安定感が出てきます。広角レンズを使ったり、風景やヨットの全体像を撮影する時はこの法則を基本に。ただし、近距離で撮影するなどの時には当てはまりません。


水平線を平行、構図を3対1にするとこのような写真になります。教科書的写真ですね。撮影者は、いま世界で一番売れっ子のヨッティング・フォトグラファーのカルロさん。ロレックス社と契約するイタリア人です。photo by Rolex / Carlo Borlenghi

5. 連写のメリット、デメリット
 ヨットレースの場合、連写撮影がほとんどでしょう。望遠レンズを使っていても選手の表情まで分からないし、波しぶきのカタチとか、シートの引き具合とか、スピネーカーのベストの形状とか、そういったものが複雑に絡んでくるので、同じアングルのカットを5〜8枚ぐらい撮って、陸に戻ってそれを並べ、いちばんいいものを選ぶという方法を取っています。

 メリットは「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」。デメリットは撮影枚数が倍増すること。撮影後の仕事量が5〜8倍に増えて、睡眠時間が削られます。

6. 風の動き、選手のアクションを読む
 ヨットレース撮影の最重要ポイントは、マーク回航シーンです。カメラマンは、マークに向かってくる選手を待ち構えて撮影します。ここで選手がどんなアクションするのか予想しなくてはなりません。

 ブローラインはどこにあるのか、選手がどこでタックするのか、ライバル艇にどんな戦術を使う可能性があるのか、バウマンがアクションに入るタイミング、ジャイビングポイント、ジェネカーダウンのタイミングなど艇種の特長を知り、そこに選手の技術レベルを加えてアクション予想します。


上の写真は、スタート直後、左海面にかなり濃いブローが降りてきていて、そのかたまりへ突っ込んでいく艇を横目に見ました。その時は、有利な右集団を撮影していましたが、頭のなかで左海面に向かった艇を気にしていて、ブローに入るタイミングを数えていました。「そろそろかな」とカメラをぐるっと向けるとこんな状況だった、というわけです。photo by Junichi Hirai

◎撮影講座1〜3は下記を御覧ください
セーラーのためのヨットレース撮影講座 (1)

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