東海岸ニューポートの優雅なヨッティング

  • 03
  • Apr

※サンケイビジネスアイ紙で連載していたコラムを紹介します。


ニューヨークヨットクラブのクラブハウス。手前はクラブ専用のさん橋で、ポールに掲げられる星条旗は日の出にあがり、日没時間に降ろされる。撮影 平井淳一

サンケイビジネスアイ・コラム(60)
アメリカ東海岸ニューポートの優雅なヨッティング

 9月中旬、ロードアイランド州ニューポートを訪ねた。米・ボストンから南へ100キロ。軍港とロブスター漁で知られるこの港町で、かつて世界最大規模を誇るヨットレース、アメリカズカップが開催されていた。カップを保持していたニューヨークヨットクラブは世界各国からの挑戦を受け、1983年まで132年間も防衛してきた歴史がある。

 ニューヨークヨットクラブは1844年に設立され、現在もマンハッタンに本部がおかれている。別館といえるニューポートにはクラブハウスがあり、実際にヨットレースが開催されるのもこの場所。クラブハウスには、こじんまりとしたバーとレストラン、宿泊施設があり、クラブ員関係者だけが利用できる。小高い丘の上に立つクラブハウスからは、ニューポートの湾が一望でき、芝生にならべた椅子に座って湾を走るヨットを眺めるのがヨットクラブのステイタスだ。

 湾から大西洋側に向かうとマンションと呼ばれる絢爛豪華な豪邸が立ち並ぶ。20世紀前までのアメリカ産業、石炭、銀山、鉄道、貿易商などで財をなした富豪が、こぞってこの避暑地に別荘を立てたという。海岸線に立てられたマンションには専用の桟橋があり、プライベートボートの発着場所として使われていた。

 ニューポートの船を見て感じたのは、どれもすばらしく手入れが行き届いていること。木造艇はニスを丁寧に重ね塗りされた光沢があり、船体だけでなく手すりや金属部分までピカピカに磨き上げられている。そして、ボートのスタン(後尾)に星条旗をなびかせて、芝生に覆われた別荘地の前を走っていく。こうした光景は、日本のヨッティングシーンにないものだ。

 避暑地とはいえ、ニューポートのセーリングシーズンは短い。9月になれば冷たい秋風が吹き出し、10月に入ると湾内に無数に浮かんでいるヨットやボートは、冬を避けるためにマリーナに上架される。短い夏を海辺で存分に遊ぶのだ。ニューポートの海には特別な時間が流れている。(2011.9 文/平井淳一)

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