【特集1】フランスの20代があこがれるオフショアレース『ミニトランサット』

  • 20
  • Jul

 みなさん「ミニトランサット」を知っていますか? 日本では知られていませんが、フランスでは有名なひとり乗りヨットレースです。このレースで採用される船は、スター級やJ/24よりも短い全長6.5メートル。ディンギーより大きいけれど、クルーザーとしてはスモールサイズの船で大西洋を横断するひとり乗りヨットレースが、ミニトランサットなのです。(BHM編集部)


今年は2年に一度開催されるミニトランサットの開催前年。フランス各地で選手が出場資格を獲得するための前哨レースがおこなわれています。photo by Junichi Hirai

 6月、バルクヘッドマガジン編集部は、フランスでミニトランサットを取材してきました。そこで興味深く感じたことのひとつは、この大会に出場するのは、20代、30代のセーラーが大半であること。当然ながら経験は少なく、セーリング技術もベテランに及びませんが挑戦するセーラーは後を絶ちません。

 さらに女性セーラーの割合が想像以上に高いことにも驚かされました。2017年ミニトランサットでは81艇中10艇、今回編集部が取材したMAPトロフィーというレースでは65艇中11艇が女性スキッパーでした。

 ミニセーラーの見た感じは、大学を卒業したばかりほどの年齢でしょうか。話を聞くと仕事をしながら活動しているセーラーが多いようです。艇長会議の真剣な眼差し、出艇前のド緊張した表情が忘れられません。

 世界一周無寄港無補給ヨットレースの「ヴァンデ・グローブ」を、世界のヨットレースの頂点とするなら、ミニトランサットは、経験を積んで次の外洋レースへステップアップするための『登竜門』的な意味があります。

 とはいえ、若いセーラーにはハードルの高いひとつの大きな目標/夢に違いなく、出場までの過程で出場を断念、挫折する選手も少なくありません。


ブルターニュの小さな港町ドゥアルヌネに集まるミニ集団。6月にMAPトロフィーとミニファストネットの2つの大会がおこなわれました。photo by Junichi Hirai


MAPトロフィーの艇長会議。ドゥアルヌネの小さなヨットクラブに70名近い選手が集まります。艇長会議は基本的にフランス語で進行していきます。photo by Junichi Hirai


真剣な表情のヤングセーラー。オフショアをはじめて間もない選手も多く、出艇前の緊張感が伝わってきます。photo by Junichi Hirai


ミニトランサット出場を目指すロシアの女子スキッパー。MAPトロフィーではフランス以外の出場選手は11名。ロシア、ドイツ、スペイン、ブラジル、日本などから出場していました。photo by Junichi Hirai

出場資格は1500マイルのレース出場と単独無寄港1000マイルの経験

 さて、ミニトランサットについてかんたんに説明しましょう。ミニトランサットは、ミニトランサット6.50と呼ばれるクラスルールに基づいた、ひとり乗り専門の外洋レース艇が採用されます。

 次回スタートは2019年9月後半に予定されています。総距離4050マイルのコースは2ステージで構成され、第1レグはフランスのラ・ロシェルからカナリア諸島ラスパルマス(グラン・カナリア)まで。第2レグは11月初旬にスタートして、カリブ海マルティニーク島ル・マランへフィニッシュします。

 ミニトランサットに出場するには資格が必要です。エントリーすれば誰でも出場できるわけではありません。同一艇でのレース&単独航海経験、安全に航海するための装備、トラブルに対応できる能力を備えるなど、いくつものハードルをクリアした選手だけが出場できます。

 さらに参加総数が決められているために、出場資格を得た選手から出場枠が決まっていきます。つまり、2019年本番のためには2018年におこなわれるレースに出場し、「合計1500マイルの同一艇でのレース出場と1000マイルの単独航海」を済ませる必要があり、すでにフランスのミニセーラーは活発に活動しているわけです。

 この大西洋横断2019年ミニトランサットに、学連出身、モス乗りの鈴木晶友(SAIL FAST所属)が挑戦しています。日本人としては、1999年大会に出場した岩名地 正さん以来となる2人目の挑戦です。鈴木選手の活動については、次回詳しく紹介したいと思います。


日本からは2番目となるミニトランサット出場を目指す鈴木晶友選手(33歳)。今春からフランスに渡って準備をはじめ、出場資格を得るために6月からレースに出場しています。photo by Junichi Hirai


こちらはニュージーランド出身スペイン在住のホアン選手とサポートする彼女のジョイ。出場選手の多くは活動資金を捻出することは大変で、自己資金+スポンサーを募りながら活動を続けています。photo by Junichi Hirai


ミニのレースはルールが厳しく、船外機は出艇前に陸へ置いていかなければなりません。海上でトラブったらすべて人力のセーリングで解決します。これは当然といえば当然で、大西洋横断中に5馬力程度の船外機はなんの役にも立ちません。ミニトランサット前の前哨レースが実際のトラブルシューティングを兼ねることになります。photo by Junichi Hirai


出艇するには、レース運営が1艇ずつ引っ張って湾外へ連れて行きます。何往復もするので時間がかかり、MAPトロフィーでは全艇終えるまで約2時間かかっていました。photo by Junichi Hirai


携帯電話、スマホはレース中使用できません。出艇申告時にレース委員会に預けることが義務付けられます。photo by Junichi Hirai

◎Class mini Association
https://www.classemini.com/
◎Mini-Transat
http://www.minitransat.fr/

====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
ベストウインド
ジャストヨット運送
ファーストマリーン
日本レジャーチャンネル
ベイトリップ セーリング
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
リビエラリゾート
コスモマリン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ